先日、友人に「仲介業者の良し悪しってなんだとおもう?」と聞かれて『依頼者が望む物件・条件を勝ち獲りつつ、最終的に各方面から感謝される業者』と答えました。

弊社 株式会社コラムは、商業・事業用不動産を専門とした仲介業者です。
具体的には、事務所用・店舗用物件…その中でも『店舗用物件』を一番の得意分野としています。

住居用物件は申込先行順(=早い者勝ち)が多いのですが、事業用賃貸物件は、貸主が『申込受付期間』を設け、複数ある申込書の中から、業態・与信・経済条件等を比較し、選定するケースが多いです。
そのため、競合テナント(=同物件に入居を希望している申込者)が複数いるものです。

つまり、仲介業者は「いい物件を紹介してくれる」のはもちろんのこと「いい物件を競合テナントから勝ち獲る」必要があります。

また、事業用賃貸物件は、経済条件・賃料発生日・引渡状況などとにかく協議事項が多く、よりよい条件で契約するためには、交渉・調整が発生します。

条件交渉にあたっては、当事者の貸主借主間だけでなく、元付業者・客付業者・管理会社・建築会社など…水面下に関係者が多く存在していて、それぞれの利害関係があり思ったより複雑。
「ある名目費用を値切った途端に決裂した」「同額の費用なのに名目を変えたらすんなり値切れた」なんてこともあります。

水面下の関係者を含めて、どの立場の方を蔑ろにしても決していいことはありません。
入居後も良好な関係を築き、その物件で繁栄するためにも『関係者各位を尊重し、味方につけながら我を通す』ことがとても重要なのです。

「気に入った物件に絶対に入居したい!」「少しでもいい条件で契約したい」と強く願うならば、親身になって交渉してくれる・物件を勝ち獲るために最善を尽くしてくれる仲介業者と仲を深めるべきと思います。

もちろん競合が強敵でどうやっても歯が立たないこともありますし、仲介業者ができることには限りがあります。
それでも、貸主の性質や選定基準を正確にヒアリングして、追加資料を作成し提出したり、直談判に行ったり、コネクションを活用したりと…仲介業者の下調べや頑張りで、勝ち取れる物件や条件が多々あるものです。

例えば『貸主』とひと口に言っても、個人オーナーなのか、法人オーナーなのかで対応も変わります。

貸主が個人であれば、決定権者は誰なのか。親族間協議であったり、相続の問題が絡むこともあり、判断基準をリサーチすることが大事です。
貸主が法人・企業であれば、担当者と決定権者までの距離、社内稟議の進め方、企業体質などによって、提案の仕方、協議バッファ、響くツボなど、有効手段がまったく異なります。

そういった調整や交渉を各関係者に対して行う。優先順位を整理して、粘り強く提案していく。
時には感情に訴え、時には政治力を駆使して、いい物件・いい条件を獲りにいく。そのスペックと経験値と人脈と気力がある業者が『いい仲介業者』だと思います。

「この物件に絶対に入居したい」も「値下げ交渉をしたい」も「退去費用を安くしたい」も原則は同様です。
まずは身近な業者さんに相談をしながら、いい業者さんを探してみてください。


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